大豆食品は女子の初潮や生理の時期を早めるのか?

子供の身長を伸ばす際に必要な栄養素を方法に含んでいる大豆食品ですが、女性ホルモンとの関係で初潮や生理の時期を早めるのではないかという不安がある人もいらっしゃるでしょう。
実際に大豆食品が女子の思春期の到来時期を早めたり、その進行速度に影響を与える可能性があるのかについて解説します。
大豆イソフラボンとエストロゲンの関係性を理解して、少しでも効率的にお子様の成長をサポートしてあげましょう。
目次
大豆イソフラボンが女子の思春期に与える影響は?
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た構造をしており、更年期世代の女性が大豆イソフラボンを摂取することで、女性ホルモンが増えると言われていますよね。
確かに大豆イソフラボンの摂取は更年期世代の女性にとって、そういったメリットのある成分ですが、それがそのまま成長期前後の子供に当てはまるかといえば少し状況が違います。
大豆イソフラボンを含んだ大豆食品を食べても、基本的に女性ホルモンの分泌量に大きな影響を与えることもなく、思春期の到来時期を早めることもありません。
だから成長に必要な栄養素の補給源として、成長期前後の女の子が大豆食品を摂取することは非常におすすめできますが、過剰摂取だけ注意してください。
なぜ成長期と更年期世代で同じ食品をとっても、ここまで大きな違いがあるのでしょうか。
成長期と更年期では分泌される女性ホルモンの量が異なる
10歳前後の子供と更年期後半の50歳過ぎの女性の女性ホルモンのエストロゲンの分泌量はほぼ同じくらいです。
しかし10代から急激に女性ホルモンの分泌量が増えるのに対し、30代後半から急激に女性ホルモンの分泌量が減少するのが更年期世代の話。
同じくらいの分泌量でも徐々に増えていくのと、徐々に減少していくのでは身体の反応も異なりますし、無くなっていく際の変化の方が著しいものがあります。
更年期世代の女性は、エストロゲンの激減に対応するために大豆イソフラボンを摂取することがメリットの有ることだと言えますが、10代の女子にとっては大豆イソフラボンの影響は誤差のようなもの。
一般的な食事で摂取するレベルの大豆イソフラボンは、性成熟にはほぼ影響がないと理解しましょう。
大豆イソフラボンでエストロゲンが増加するわけではない
さらに基本的な話をすれば、大豆イソフラボンを摂取したからと言って、女性ホルモンのエストロゲンが増えるわけではありません。
大豆イソフラボンの摂取でエストロゲンに影響を与えるのは、腸内にエクオール産生菌がいる人だけ。
エクオール産生菌を持つ人が大豆イソフラボンを摂取することではじめてエストロゲンの活性に影響します。
エクオール産生菌は日本人の50〜60%が保有していると言われていますが、現在の子供の世代では20〜30%しか保菌者がいないのではないかと言われています。
エクオール産生菌の保菌者が減少している理由は明確ではありませんが、大豆食品を多く食べる地域に保菌者が多いことから、日本人の子供世代の大豆食品の摂取量が減少しているからでしょう。
このように大豆食品を食べても、十分にエストロゲンの活性を高めることができませんし、更年期以外であればその影響は誤差レベルなので、思春期の時期に影響を与えることはありません。
大豆食品を毎日食べると成長に必要な栄養補給ができる
大豆食品にも様々なものがありますが、成長期前後の子供に特におすすめで手軽に食べることができるのが納豆です。
納豆なら冷蔵庫から出すだけですし、忙しい朝でも準備に時間はかかりませんし、ご飯も合わせて食べることができますので、朝食にもピッタリ。
しかも納豆を食べることで、タンパク質・カルシウム・マグネシウム・亜鉛という骨の成長に必要な栄養補給ができますし、納豆のタンパク質は植物性タンパク質なので子供には不足がちなもの。
脂質も摂取カロリーも少ない特徴がありますので、毎日1パックを食べ続けることで身長を伸ばす際の栄養補給に役立つでしょう。
他にも豆腐や味噌、醤油などもありますし、きなこや豆乳なども大豆食品として有名なところ。
牛乳を飲めない子供なら、きなこ豆乳を牛乳の代わりの飲むことで、大豆の持つ豊富な栄養素を成長に役立てることができます。
大豆はヘルシーなタンパク源でアミノ酸が豊富
子供が身長を伸ばすためには、十分な量のタンパク質を摂取する必要がありますので、良質なタンパク源である大豆をうまく活用するようにしましょう。
大豆のアミノ酸スコアは86点。
植物性タンパク質としては最も高く、ほうれん草の50点と比較してもどれだけ大豆が良質なタンパク源なのかということがわかると思います。
大豆のアミノ酸スコアの内訳は、
- イソロイシン:116点
- ロイシン:107点
- リジン:115点
- 含硫アミノ酸:86点
- 芳香族アミノ酸:142点
- スレオニン:92点
- トリプトファン:132点
- バリン:97点
含硫アミノ酸の含有量がやや少ないですが、含硫アミノ酸はお米(132点)に大量に含まれていますので、納豆ご飯を食べていれば問題ないでしょう。
ちなみに精白米のアミノ酸スコアは65点で、最も少ないリジンは大豆にしっかり含有されているので、そういった意味でも組み合わせ的に良いと言えます。
大豆食品は女子の初潮や生理の時期を早めるのかの記事まとめ
10代女子の場合は、大豆イソフラボンを豊富に含む大豆食品を食べても、エストロゲンの活性を高めたり、その分泌量に大きな影響を与えることもありません。
初潮や生理を早めるようなデメリットはなく、栄養面ではメリットばかりですので、積極的に大豆食品を食べるようにしてください。
肉類と違って大豆食品のタンパク質は、植物性タンパク質なので特に成長期世代には不足しがちなものですし、骨の成長に役立つ栄養素ばかり。
毎朝1パックの納豆とご飯、そこにお味噌汁と1〜2品付けば、栄養バランスも整いますし、朝食の準備も手間なくできるので忙しい朝にもおすすめです。
大豆食品を意識的に食べるようにすれば、腸内環境が整って便秘に悩むこともなくなりますので、健康維持にも役立ちますよ。